すぐに役立つ介護情報 排泄に関する基礎知識4 介護食のポイント
排泄に関する基礎知識4 介護食のポイント
介護を必要とする人も、毎日の食事をおいしく楽しく、そして、必要な栄養を摂取していただきたい。そんな願いをいつも心に、介護食のポイントを押さえておきましょう。
嚥下(えんげ)・嚥下障害とは?
食べものや飲みものを口に入れて、咽頭から食道を通って、胃へ送る輸送運動のことを「嚥下」といいます。健康な人ならば自然にできますが、口が開きにくい、咀嚼(そしゃく)できない、うまく飲み込めずにむせてしまう、口からこぼれる、飲み込んだら咳が出るなどが見られたら要注意。脳血管障害の後遺症としてよく見られる症状の一つですが、「嚥下障害」の可能性があります。
嚥下障害によって脱水症状、栄養不足などにつながることもありますが、とくに飲み込むときにむせてしまうような場合は「誤嚥(ごえん)」の危険もあります。肺炎の原因にもなりますので、すみやかに、かかりつけの医師(入れ歯を使用しているなら歯科医)などに相談をしましょう。食事内容、食べる姿勢など、在宅介護で気をつけなければならないことがあります。嚥下の過程とは?
食べものでの工夫とは?
嚥下障害になると、水分を摂取するときにむせやすくなります。誤嚥を心配するあまり脱水症状をおこしたりしないように、お茶など水分にも「とろみ剤」を使用することで、むせを軽減できます。
とろみと聞けば「片栗粉」を思い浮かべてしまいますが、片栗粉でつけるとろみは冷めるとゆるくなり、でんぷんが原料なので、もったりとした食感になり飲み込みにくくなりがちです。また、唾液によってもでんぷんのとろみは消えてしまうので、誤嚥につながる可能性が高くなります。おすすめは、市販の介護食用の「とろみ剤」です。素材の味を変えず、見た目も濁らず、のどごしも良く仕上がります。どんなものがいいか、医師や看護師、栄養士に相談してみましょう。POINT 尿量は水分不足の判断材料になります。
飲食時の注意について
食べたり飲んだりする時の姿勢は、介護を必要としている人の機能によって、アドバイスが変わってきます。
座れるならば
● 足を床につけて、丸くなりがちな背中を伸ばして、少し前傾になるように。
● 椅子と背中の間にクッションなどを挟んで、からだをしっかり安定させましょう。
● テーブルと椅子のバランスは、腕が自然に置けて、あごを引いて向き合える高さがベスト。また、介護する人もされる人も、飲食に集中できるような環境をつくりましょう。ゆったりと時間に余裕を持てるように工夫したいものです。他の人とおしゃべりしながら介助したり、テレビのつけっぱなしは好ましくありません。
POINT ベースは、家族といっしょの献立。
介護補助食品も気軽に利用を。介護食を特別な食事はととらえず、家族が食べる普段の家庭料理をベースに考えることができます。旬の食材をつかった家庭料理ならば、おのずと季節感、彩りの豊かさがお皿に盛り込まれ、食事の時間が楽しくなることでしょう。でも、忙しい時や疲れた時は、手づくりにこだわりすぎないで「介護補助食品」を利用しましょう。
▼外部リンク
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